現在13回まで記事がある『経験ゼロでもできる携帯販売イベントとセールスデザイン』※2022/02/10現在
その中ではリアルタイムに携帯販売イベントを経験ゼロから行う『セールスデザイン』の取り組みを公開しております。
今回の記事はその根っこである、その『セールスデザイン』について書いていこうと思います。
セールスと押し売り
店頭セールスというと一般的には以下のようなフローがあると思います。
アプローチ→ニーズ把握→商談→クロージング→成約→アフターフォロー
実際の成約における意思決定は『クロージング』にある為、販売教育やトークスクリプトはここに重きが置かれる事が多いと思います。※元より販売員にセールスの教育を行わない店舗も多いと思いますが
すると当然ながら「成約率の高いトークスクリプト」で「クロージング」を行うという事が生産性を上げる事になります。
が
そこには「落とし穴」があります。それが「押し売り」です。
なぜそうなるかというと一つに「店頭は忙しい」という事が挙げられます。一般的にはギリギリの人数で店舗は回すケースが多いため「短時間で成約」を目指すトークを作ります。
「短時間」にする為には「話を短くする」or「話を省く」もしくはその「両方」となります。
「話を短くする」と「話を省く」を比べると再現性が高いのは「話を省く」方です。言わなければいいだけなので当然イージーなのは後者になります。
では何を省くのか?それは「ニーズ把握」です。ニーズ把握は「顧客との対話の中」でしか出来ませんから再現性は低くなります。何故なら「人は皆違う」からです。
当然ながら時間軸で考えた場合は短時間にも長時間にもなります。つまり「コントロールしにくい」という事になります。ビジネスはコントロールできる事が前提になってる場合が多いので「ニーズ把握」はその意味でハードルが高くなります。
つまり「ニーズ把握」を行わず「成約」のみを目的とし、その後「ミスマッチ」が起こり結果ユーザーに「不満や後悔」が残る。
これが「押し売り」の正体です。
営業やセールスがマイナスイメージになりがちな理由
「押し売り」「強引なセールス」などで嫌な思いをされた経験は誰しもあるかと思います。
しかしどうでしょう?
商品提供側に立つと「トップセールス」は「凄い」となるでしょう。
一方消費側に立つと「押し売りされた」「酷い会社(人)だ」となる事もあるでしょう。
これは「売った」「買った」が「同一の場所での出来事」なのに、双方にとってプラスとマイナスの「真逆の現象」がここでは起きています。
それは「同一人物」の中でも成立する事があります。簡単に言えば「人は立場が変われば態度が変わる」と言う事です。
具体的に言えば「自分は人に売るけど、逆に自分が買わされたら怒る」と言うことです。良くも悪くも誰しもが持ち得る性質なのでここに良いも悪いもありません。
ここでわざわざ言う必要もないかもしれませんが、当然「トップセールス」を否定している訳でありません。そうではなく「どちら側にも成り得る」と言う事を念頭に置いて頂きたいからです。
ではなぜお伝えしたかと言うと、次に私の実体験のお話をしたかったからです。
トップセールスとは
数年前に機会があり、ある2つの業界で大企業に所属し7年間トップセールスだったという方の話を聞いた時の話です。※業界名は伏せておきます
その方が放った言葉が強烈でした。
「ニーズ把握?そんな事しないよ。正確に言うと聞いてるふりをするんだ。ニーズなんて聞いてたら売りたいモノが売れないからね。売りたいものだけ出して売るんだよ。商品知識も必要ないね。」
この方の真意はともかく、事実として「顧客のニーズ」は軽視される事が往々にしてあると言うことをお伝えしたかったのです。
別ケースでもう一つ、とあるお店での契約の際です。
早口で契約内容を話した後に「じゃあコレでやっておきますね!」とクロージング。それまでの間に質問する機会は与えられず「はい」or「いいえ」の回答を聞くだけ。
元々、契約の意思は全く示していなかった商品が付帯している状態です。その場で気がついてコレ必要なんですか?と聞かなければ契約になる流れです。
コレを見て「高齢者や社会に出て間もないような若者からであれば契約を沢山取れるんだろうなぁ」と思いました。
【次回】押し売りの代償とは