クレームは基本的に聞かない
もう少し丁寧に言うと「クレーム要望が全て正しいとは思ってはいけない」です。
日本人は良くも悪くも大変に真面目です。真面目というのは人が言ったことを一切疑わない事です。特に目上の人や有名な人やTVが言った事は無条件で正しいと判断する事です。これは悪い真面目です。なぜ悪いかといえば無思考だからです。上からの指示だったからやったら法令違反だった自分は悪くありません、なんてのは滑稽でその最たる例です。結論、無思考は他責と言えます。無論、他責で上手くいくわけありません。
- Aというクレームを聞くとBというクレームが出てくる
- Bを解決したらCとDが出てきた
- CとDは真逆の内容のクレームだった
顧客が言うこと全てが正しいのなら世の中の店舗は全てが素晴らしい店しか存在しなくなってしまいます。
今回の記事はクレームとの向き合い方です
「1人のクレームとどう向き合うか」
「感情的にならず判断には数字を使う。数字が使えない判断ならしない」
顧客は良かれと思いクレームを入れる事もあります。「あそこが掃除されてないよ」「食事の提供遅いよ」「写真と盛り付け全く違うよ」もちろんスグ改善すべきです。こんなの反論の余地もありません。
そういう事ではなく
1人からあるクレームを貰いました。それを改善しました。しかしそれは常連99人には不便な内容です。
これ結構ありませんか?なんならオペレーションコストが増加して他の場所に問題が起きる事もあるでしょう。更に言うと顧客離れになったりします。
これが感情的になってはいけない理由です。だから客観的な視点が必要です。客観的とは数字の事です。なぜならば人によって判断が異なるという事がないからです。
1+1=2は客観的事実です。これを3とか4とか言う人はおかしな人なので聞かなくて良いと言うことにもなります。
「クレームとクレーマーを一緒にするな」
とはいえクレームには耳を貸すべきです。全く耳に入れないと言うのはもう完璧にダメです。中に宝物の様な意見があります。これは社内だけだと社内寄りの見方に偏るからです。むしろ無料でアンケートが取れる様なものなので活用しない手はありません。良い意見も悪い意見も内容を聞くこと自体はお店にとって有益です。
しかし中にはとんでもないクレームをつける輩もいます。嘘をでっち上げたり、自分の責任を棚に上げて一方的に攻めたり、中には相手を責める事自体が目的の輩もいます。私自身「女に対応させろ!」と言ってきた人を追い返した事もあります。要は女の子を困らせたり泣かせたりしたいのでしょう。
こういうのにまともに付き合ってはいけません。なぜいけないかと言えば2つの理由からです
- お店の顧客にとって不利益だから
- お店の従業員にとって不利益だから
この2点です。
悪意あるクレームに割かれるコストは「その他の顧客が支払い」ます。対応に時間がかかり料理の提供が遅れたなら「時間コスト」を顧客が支払う形です。
従業員は基本的に誠実に対応しようとします。不誠実に対して誠実に対応すると物凄い精神的なダメージを負います。最悪トラウマになりますし、お店としてそういう人を放置した格好にもなるので悪い印象を持ったまま退職したりします。すると悪い噂が広がり従業員が集まらない店になります。
つまりメリットなんて一個もありません。
本来やる事は「自分の顧客、お店の顧客を幸せにすること」なのですから顧客でない人に使う時間もお金もありません。
数字以外、論理的以外「理外の理」を大切にするべき理由。
「さっきまで数字数字言ってたじゃないか!」とそう思われたと思います。
この章で最後にお伝えしたいのは利益だどうだではなく「人として」という部分です。
例えばある飲食店で、顧客自身の不注意で購入した商品を床に落としたとします。もうこれは善悪で言えば完璧にお客が悪いのですが、その悲しそうな顔を見て新しい商品と交換してあげる、そんな事があるでしょう。これマニュアルになっててもなってなくてもそうする飲食店があると思います。これお店の持ち出しですから完全に損してます。
しかしながらこういう対応は商売の基本という感じもします。相手への思いやりは商売というより人としての部分です。
一方で購入した商品を半分飲み干してから不味いと返品されたお酒という内容も見たこともあります。これは悪質です。
お客様を甘やかしすぎちゃいけない、無茶なワガママに全部答える必要はありません。言うべきことは言う。
ただ「理外の理」そういう心の広さを持つことでお店は愛され繁盛店になると思います。