新規顧客と固定客。
新規顧客を獲得するコストは固定客の5倍かかる
上記は一般として言われることです。
新規!新規!新規!と追う事が習慣化しすぎている光景は割とどこにでもありますが、これはマーケットが拡大していたから最適解と思われていただけの過去の遺産です。
人口縮小している中で国内の新規顧客獲得のコストは5倍以上かもしれません。
よって店舗ビジネスの基本戦略は固定客獲得になります。
IT産業の様にドカンと一発当てる!というような事は構造上不可能な為です。
よって「顧客に愛される店舗になる」ことが従業員にも顧客にも求められる事です。
「凡事徹底」
「当たり前の事を当たり前にやる」
店舗でも一発逆転で売上を爆発させたい!という動きをする事もあるでしょう。これボクシングで言えば、力を精一杯込めたパンチを繰り出している様なものです。力んでいるので相手に当たりませんし体力も消費しますから続きません。カウンターくらって倒れるのがオチです。
そこで大事になるのがジャブです。小まめに相手に当てていくボクシングの基本です。
小さなサービスや販売施策、そういう事を大切にする事です。
- 小さな気遣いやお声がけ
- 顧客を想ったサービス
- 足を運ぶ度に少しの変化が見られる
その時の利益に繋がらなくてもむしろ費用的にマイナスになっても小まめなジャブを大切にします。
顧客の目を見て「ありがとうございます」を伝える。
そういう基本中の基本です。それを繰り返し受けるから顧客はそのお店を好きになりリピーターになります。
これは徹底的にシステマチックにしたラーメン屋「一蘭」でも同じ事が言えます。人との接触はありませんが、顧客が喜ぶ事や求める事を徹底してシステムに落とし込んでいるからです。
「小さく考える」
「細部に神宿る」ひるがえって「失敗は細部に宿る」
大きな所ばかり見ていたせいで小さなミスに気が付かずオオゴトになった経験は誰しも思い当たる所があると思います。
会社→店舗→売り場→コーナー→陳列棚→1個の商品。
突き詰めて考える事の重要性です。いわゆる「森を見て木を見ない」状態になってはいけないという事です。
顧客は「一個の商品」で繋がっているのだから当然です。顧客目線の重要性です。
私の尊敬する経営者はコラボであっても自分の名前のついた商品を必ず自分で買って自分で試食をしています。該当商品に対するレジ店員の反応や対応、工場毎の味の違いまでも確認。更にはその他の競合になりえる商品もパッケージから徹底的に自分の目で見て言語化し味も全ての商品で確認していきます。
「細部に神宿る」とはこういう事です。
そういう商品に心打たれるからリピーターは絶えません。
「コアファンを大切にする」
「大切な人なら守りたいと思いますよね」
シンプルな事です。
KISSというハードロックバンドを知っているでしょうか?オールドなバンドなので知らない人は多いでしょうがそのビジュアルを見たら誰しもが見たことある筈です(KISS バンドで検索してみて下さい)。
リーダーのジーンシモンズの言葉はアメリカの実業界でも有名で尊敬されていると言います。
「コアファンを徹底的に大切にすること」
どんなに落ち目になっても100人のコアファンがいれば自分達を盛り立て誹謗中傷からも守ってくれる、それがある以上は自分達は無くならず必ずファンが自分達を広めてくれるという事です。
ファン内部から批判があってもこの100人のコアファンさえ裏切らずにいればコミュニティーの力でなんとか出来るという考え方が、尊敬されている理由です。
拡大ばかり考えて私利私欲の為に巨大化する空虚さと危うさを教えてくれます。