実践から考える|売れる売り場とPOP

突然ですが、「売れる売り場」とはどんな売り場だと思いますか?

私は先日、板橋にあるヒルマ薬局という薬局さんからお話をいただき、千歳プロデュースとして『若甦陳列コンテスト』に挑戦させていただきました。

そして結果的に”入賞”することができました。

そこで、この記事では

売れる売り場とPOPについて、実際に入賞した売り場とPOPを例に挙げながら解説していきます。

若甦とは

皆さん”若甦”をご存知ですか?

若甦とは高麗人参を主成分とした滋養強壮、肉体疲労、栄養補給、体力増進等に効果がある、薬局業界ではとても有名な医薬品です。

体の代謝を促すことで免疫力を上げ、様々な不調を改善してくれる効果があります。

風邪を引きやすい、手足が冷える、肩こりが辛い、なんとなく調子が悪くやる気が出ない…などの症状でお悩みの方はぜひ一度試してみてください!(いつの間にか商品の紹介になってしまいました…笑)

そして若甦は「ファンづくり」に重きを置いたブランドでもあります。

老若男女に愛される若甦が更に愛され続けるような、より魅力的な売り場づくりを実現し、コンテストで高みを目指していきます。

手がける前の売り場とPOP

私が初めてヒルマ薬局さんにお伺いした際の既存の若甦売り場がこちらです。

(左:若甦の売り場 / 右:若甦売り場上の吊り下げPOP)

一見目を引く売り場ですが、改善の余地がまだまだあります。

あなたならどうブラッシュアップしますか?

売り場とPOPの改善点

まず改善できそうな部分を全て挙げていきます。

・誘目性が低い(目立ちづらい)

・他商品との境界線がわかりづらい

・何の商品が置いてあるのか一目で認識することが難しい

・商品の効能、効果がわかりづらい

・吊り下げPOPとの一体感がない

これらが私が感じた改善点です。

改善点を挙げる時に一番大切にしていることは”第一印象”です。

第一印象で感じたことは一番お客様目線に近い意見であり、お客様の気持ちを代弁していると言えます。

「すでに売り場づくりはしているが、どう改善していけばわからない…」

と悩んでいる方は、その売り場を第三者に見てもらい感想を聞いたり、お客様に売り場の印象をお伺いしてみることをお勧めします。

作業を始める前に…

改善点を挙げた後、すぐに作業に入るのはNGです。

POPを作り始める前にまず、このPOPでどんな効果を得たいのか

POPを作る目的を明確にすることが大切です。

入店を促したいのか、目を留めさせたいのか、もう一点追加で購入してもらいたいのか…

なんとなく作るのではなく、目的を明確にすることで売り上げアップに繋がっていきます。

今回のPOPでは『目を留めさせ、効能を伝える』ことを目的としました。

売れる売り場とPOPを作るために…

私は売り場とPOPを作成するにあたり以下の3つの点に着目しました。

  1. わかりやすさ
  2. 陳列方法
  3. インパクト

これからそれぞれについて解説していきます。

1.わかりやすさ

「わかりやすい!」というPOPのの基準として

色合い、大きさ、掲示の位置、掲示方法などがあります。

今回のPOPの中では、吊り下げPOPを例に着目してみましょう。

「疲れ・肩こり・冷え」のPOP

 ・文字の塗り色と画用紙が同じ黄色で目立ちづらい

 ・後ろのボード(A3サイズ)に収まるよう作成しているため、離れて見た時に小さいく感じる

効能POP(右側)

 ・既存のものをA4サイズでプリントアウトしているため、文字が小さく読みづらい

 ・光が反射してしまっている

POP全体

 ・商品棚との距離感があり、どの商品を説明しているのかがわかりづらい

 ・下のキャラクターが何を指差しているのかわからない  等…

吊り下げPOP一つとっても、これだけの改善点が挙げられました。

このような”小さなわかりにくさ”が、POP全体の”伝わりずらさ”に繋がっています。

これを一つ一つを改善することで「わかりやすいPOP」に変えることができるのです。

2.陳列方法

次に陳列方法に着目しました。

既存の商品棚には若甦の他に”ミラグレーン”という違う商品も一緒に陳列されていました。(写真左側)

そもそもこの商品棚は入り口の正面にあり、入店した際に最初に目に留まります。

若甦とミラグレーンは両方ともヒルマ薬局さんの推し商品であるため、この棚にあえて並べて陳列していたようです。

この陳列方法の改善点として

・どちらの商品を試せば良いのかわからない

・POPが全て同系色で作成されており、商品の境界線がわかりづらい

・それぞれの良さが伝わりきらない陳列になっている

などが挙げられます。

二兎を追う者は一兎をも得ず です。

1つの商品に特化した場所をしっかり作ることが、売れる売り場づくりにおいて重要です。

3.インパクト

最後に着目した点はインパクトです。

インパクトは売り場、POPの全体を見た際に感じるものであり

売れる売り場とPOP作りにおいて最も重要な要素です。

デザインを扱う時『誘目性』という言葉がよく使用されます。

例えば道を歩いているとき(または運転中など)に、危険や注意を促す看板がパッと目に入ってきますよね。

あなたがその看板を探しながら歩いているわけではないのに、必ず目に留まります。

このように注意を向けていない対象の発見のしやすさを『誘目性』といいます。

これはPOPにおいても必要な要素です。

普段「POPを見つけて魅力的な商品を探すぞー!」と意気込んで買い物をする人はいないと思います。

パッと目に飛び込んできたPOPに興味を惹かれ、売り場に近づく、商品を手に取るといったお客様の行動につながります。

そのため売れる売り場づくりにおいて、意識していなくても”パッと目を引く””インパクトのある”POPを作ることは欠かせないことなのです。

ではこの売り場を見た時、あなたはインパクトを感じますか?

写真だけでは伝わりきらない部分もありますが、私は正直感じませんでした。

では、なぜ感じなかったのか。

理由として

・全体的に文字、POPの大きさが小さい

・棚にまとめられている若甦の商品数が少ない

・吊り下げPOPと商品棚の距離が離れすぎている

などの点が挙げられます。

これらを改善することで、パッと目に留まるインパクトのある売り場を実現します。

入賞した実際のPOP

こちらが改善点を踏まえて作成した実際の売り場とPOPです。

いかがですか?

改善前よりもわかりやすく、誘目性・視認性共に高い売り場、POPになっていると思います。

具体的な改善策として

上記に挙げてきた様々な改善点をもとに、どうブラッシュアップしたのか。

POPと売り場に分けてそれぞれの改善策を挙げていきます。

POP

・全体的にサイズを大きく、さらに赤い画用紙を使用することで誘目性を高めた。

・商品名を中央に大きく出すことで、どの商品のPOPなのか一目でわかるようにした。

・冷え、疲れ、肩こりの症状をイメージし作成することで、お客様が悩みを自己認識しやすくなるような効果を狙った。

・キャラクターを作成し、上記の悩みに効果があることを強調(各悩みと戦うような演出)した。

・店長さんのイラストを大きく作成し、顔と腕に立体感を持たせることで視認性を高めた。

・店長さんの指差しを入れることで、視線をPOPに誘導し効能を認識させる効果を狙った。

売り場

・吊り下げPOPと商品棚の距離を近づけ、一体感を演出した。

・若甦の商品を最上段、ミラグレーンは下段にまとめ区別をわかりやすくした。

・既存キャラクターの位置を変え指差し方向を明確にすることで、商品に着目した目線をPOPにも誘導する効果を狙った。

以上のことを意識しPOPを作成、売れる売り場づくりをいたしました。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

魅力的なPOPは売れる売り場を作り、ファンを増やし、新たなお客様を惹きつける場所となります。

そしてそれが売り上げや客単価アップ、客数の増加に繋がっていくのです。

たかがPOP、されどPOP。

どんな売り場にしたいのか、何を伝えたいのかなど、一つ一つ効果を意識して作成することが大切です。

またPOPや売り場は一度作って終わりというわけではありません。

お客様の反応や効果をに合わせ、更なるブラッシュアップを行っていくことで売れる売り場の実現に繋がっていきます。

売れる売り場づくりや魅力的なPOP作りに頭を悩ませている方に、この記事が少しでもヒントとなれば幸いです。

そして、今回の入賞は私一人の力ではなく、ヒルマ薬局さんと千歳プロデュースの皆さんのご協力あってこそだと強く感じております。

お力添え、本当にありがとうございました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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