店舗あるあるは認知の歪みから発生する。
店舗での「悩み」にはある程度想定されているものがあります。
例えば
- 忙しくて教育する時間がない
- 任せるより自分でやった方が早い
- ミスを起こす人が絶えない
あるあるだと思います。
ただ実際のところ全て本質は同じところのに問題があるので別々の問題ではなく単一の問題で全てそこから派生している現象です。
そしてこの状態が続くとお店は…
- 良くて現状維持
- 普通なら緩やかに衰退
- 悪かったらすぐに閉店
間違っても上昇する事はありません。
「忙しいから教育は出来ない」という歪み。
忙しくて教育が出来ないんじゃなくて、教育していないから忙しい。
シンプルな話です。
任せるだけの教育が出来ていないから自分がいつまでも忙しいわけです。
「いやいや、任せるほど育っていないから」
これも認知の歪みです。人は環境が育てますから間違っています。練習ばかりで実践をさせない様なものです。
練習優等生が実践で力を発揮するかどうかはやってみないと分かりません。未熟だけどやらせてみたらすぐに上達したなんて事もあります。
ただ中には「忙しくしていたい人」がいて意図的に「人にやらせない」という事があります。よく「お局様」にある現象です。これは当人にとってシンプルに居心地が良いからです。
「自分がいないと成り立たない」「私がいるから売上が立つ」「みんなの上に立っていられる」これは承認欲求を満たすに十分な材料です。
これも本質的には「教育を後回し」にしたからです。教育とは人の育つ仕組みの事です。
人を成長させる事は出来ませんが、成長できる環境を作る事は出来ます。
単にその仕組みやシステムをサボっていただけです。
「時間がなく機会損失になるから自分でやる」の歪み。
あー!遅い!私がやるからどいて!
どこの店舗からでも聞こえてきそうな言葉です。まぁ実際に私も幾度となく聴きました。
これも本質的には「教育の後回し」です。
経験は積まないと形になりませんから当然です。
「機会損失」だからと反論も本質的にズレてます。今教育しないと「未来の売上が減る」のでこれも機会損失です。完全に認知のズレです。
「目に見えないもの」「起きなかったこと」そういう事を軽視してしまう人の特性です。
例えば
- 現状 : 単価20,000円、集客1,000人、リピート率10% =売上200万円
だったとしリピート施策は全くやってなかったと仮定します。しかし特別でなく普通のリピート施策を打った場合の平均として
- 単価20,000円、集客1000人、リピート率50%=売上1,000万円
とした場合、800万円が消えているわけです。
「知らない間に800万円が消えた」と考えると恐ろしい筈です。
なんでも後回しにしてしまうのは「投資」と「未来」を軽視しているという事です。
これを「現在思考バイアス」と言います。
目先の利益に囚われて長期目線が無くなっている事を指します。
変えられない「定数」を頑張って変えようとする歪み。
これ過去に私がいた店舗で起こっていた事です。
着任して最初にやった事は
整理・整頓・清掃です。
事務所内はすえた臭いがしており、全く清掃のされていない汚れだらけの洗面台は誰のか分からない歯ブラシセットが大量に放置。ゴミ箱には大量の缶コーヒーの空き缶。そこから湧いて出るコバエが洗面台上に大量に留まっている。在庫も備品も整理されておらずアチラコチラに乱雑に置かれ、休憩室には物が溢れて狭く、電子レンジは一回も掃除してないんじゃないか?と思わせる程に汚れている。
とても人がいられる環境ではありませんでした。
日々の清掃も全く行われていなかったため相当な時間を要しましたが
その後ミスも在庫ズレも大幅に減りV字回復に成功しました。
ここで起きた事の本質は以下の通りです
- ミスや在庫ズレが起きない環境作り
- 不正が出来ない仕組み作り
- 清潔な環境で気分良く仕事できる職場環境
これだけです。
「人を叱責したら良くなる」これは認知のズレというより最早思慮の甘さです。
問題の根本がどこにあるかの視点を欠き感情に任せただけの行為であり理性的とは言えません。
そもそも「言っただけで良くなる」のなら社会は平和そのものでしょう。
変える事が出来る事、コントロール出来る事、その領域にて変化をつける事が大切です。
変えられない事、定数、それを頑張って変えようとする努力は実を結ばないのですから当然です。
ただし
問題の根本原因が「その当人」であった場合は言わずもがな…