販売員研修を社員教育に取り入れたら売れるのか?
販売員研修を社内教育に取り入れることで売上・利益は上がりますか?という質問を受けることがあるのですが、質問の答えは「上がることもあるし、上がらないこともあります。企業文化次第ですね」と伝えるようにしています。
これは私が販売員研修講師として取り扱うことができる領域を表した返答です。
■上がる企業の特徴は以下の通りです。
・店長が店舗スタッフ(販売員)との関係が良い
・店舗スタッフが明るく前向き
・店内で定期的に商品知識の勉強会がある
この3点です。他にもありますが、書ききれないので主な3つを取り上げました。
反対に売上が上がらない企業はこの3つが企業文化として当てはまりません。
・店長と店舗スタッフの関係性が悪い時点で販売力を高める研修をしても店長が非協力的で成果が出にくいです。
・店舗スタッフが前向きでないと学習欲求が生まれません。店舗スタッフ満足度が低いと販売員研修は難しいですね。
・知識やスキル習得が当たり前の企業文化でないと「なぜそんなに勉強しなければいけないの?」「スキルを高めないといけないの?」と不満が生まれやすいです。
と、このように3つの条件が当てはまらない企業は正直厳しいです。
ある時点まではオファーを頂いた仕事はすべて引き受けてきました。本当にありがたかったなと思っています。
ただ、結果が出てはじめて評価される仕事です。売上・利益が出なければ私は次の仕事がこないですし、クライアントも一堂に会すコストもそれなりにかかり時間も投じています。
私は上記の三条件を満たした企業の支援しかできません。だから、当てはまらない企業とは取引をしないのです。なぜなら双方が疲弊するからです。
販売員研修は店舗の売上・利益に直結するのでオファーが多いのも事実です。しかし、企業文化として販売員第一主義は言い過ぎかもしれませんが、店舗で働く販売員が働きやすい環境や適切な評価を受ける土台は欠かせないと思っています。
これまで店舗は本部の下の扱いで、本部が考えた施策を店舗はミス・無駄・ムラのないように展開することが求められました。だから単調なセールスが一般的だったんですよね。
それじゃいまは売れない、だから各社販売力向上を目的とした販売員研修を導入しようと画策しています。でも待ってください。
受講する販売員は今の会社に満足していますか?何よりここから着手しないとせっかくの研修機会が「なんで会社のために売れるようにならないといけないんだ」という不満に変わるリスクが高いです。それならやらない方が良いと私は考えています。
販売員に販売力アップの研修の機会を与えたい、というのは「販売力アップの販売員研修をしているんだから売れるようになってもらわなければ困るよ」という暗にメッセージが伝わります。
ここで「ありがとうございます、このような機会をいただいて!」と思う販売員が多い企業は成功しますが、「あ〜また会社が勝手に色々やってるよ、つきあいきれない」と販売員が求めていることはそこじゃない!と反発されてしまう企業は失敗します。
もちろん一流の販売研修講師はこういった環境でもきっちりと結果を出せると思いますが・・・私はまだまだ未熟で難しいです(ごめんなさい)
ぜひご自身の企業内での販売員研修導入の参考にしていただけたら嬉しいです。