自分より優れた者に働いてもらう技術⑥

混乱する現場は想定済み。

絶体絶命の危機的状況から目標200%を達成した技術を公開する記事です  ※第1回第2回第3回第4回第5回

【前回までのあらすじ】

即席チームで過去にない目標値200%達成を2日間で目指す。

初日から統括者の急な病欠。営業時間1/4が経過した時点で達成率わずか3%という窮地からV字回復を果たし営業時間1/2が終了時点では達成率46%まで改善。2日目が開始するも病欠?者が出るトラブル。更に前日の営業不審から私より上層部に当たる方が増員されて、恐れていた「複数の指示系統」が生まれてしまう。結果、現場は混乱。同時に別々の指示が出る等が起こり激怒のスタッフが出る始末。混乱が極まる中で無謀とも言える200%達成を目指す。

 

トラブルの芽を論理立てて潰す。

トラブルはありつつも前日の修正から精度が増していった事で契約がコンスタントに決まっていきます。しかしながら「複数の指示系統問題」があり時間が経つにつれ全体のモチベーションを下げつつあるのは明らかでした。

多くのスタッフの目から力が消え、声は小さくなり、物理的に動く範囲が小さくなっていきました。集客も鈍化し、それと共に契約のペースも落ちていきます。

人間ですから常に集中力を持ち続ける事は不可能です。当然個人差がある事も理解しておくべきです。

そこで行った事は2つです。

  • 指示の経路を減らす
  • 集中力を持続させる

具体的には上から指示には「傾向」があるので、それに先回りした指示を出すことで経路を断ちます。これにより指示系統が一本削除されスリム化します。

残るもう1本の指示系統の方には「皆の疲れが溜まっている」それを「改善しないと後が無い」事を伝えた上で休憩をプラスで回してもらう事にしました。スタッフからすれば厳しかった人から急にプレゼントを貰うようなものですから効果は的面でした。小休憩から戻ると皆息を吹き返したように営業終了時間まで駆け抜けていきます。

以上の2点で「指示系統」を私に戻し、かつ要である「スタッフの集中力を持続させる事」に成功しました。

 

「組織の目標」は「各自のとっての目標」に成ってこそ。

また「指示系統の統一」と「スタッフの集中力を持続」させる事に加えてもう1つ変更を行いました。

この現場は複数のチームで構成されているので「基本は各チームの代表者に指示を出す」スタイルに変更です。

この変更は私自身が身軽になる事に加えて

  • 指示の浸透力がアップ
  • チーム毎の連帯感がアップ

この2点に大きく寄与しました。

しかし、あるチームが目的と別の行動をしてしまう場面もありました。それに指摘も入ってしまいましたが、その場は私が指示した事にして報告。そのチーム代表者にはそっと改善だけお願いしました。これはその代表者が良かれと判断し行った事と私は知っていたからです。実害も弊害も無い事柄であること、咎められる必要はありません。むしろ創意工夫を持って良くしようとした行動であり、そのパワーは今回の実績に必要でもありました。こんな事でモチベーションを下げさせるわけにはいきません。

その甲斐あってか

終了時間が近づくにつれて全体が熱を帯びて「集客」「契約」がどんどん伸びていきます。

この頃には私の指示は必要ない状態になっていました。

個々が目的のため最適な行動をとっています。売場には人が溢れたため緊急で商談スペースも増やしました。

気がつけば営業終了予定時刻を越えても各自が集客と契約をとってきます。皆、手も足も止めませんでした。むしろ止める事が不可能な程に熱量が各スタッフから溢れており、営業を終えたのは物理的に手続きができなくなるまで続きました。

後は結果を集計するだけです。

では今回の記事はここまで✋

【追記】

残業=忌むべきモノという認識が現代のスタンダードであると思います。実際に私自身もそう思っています。しかしながらもう少し深堀すると「必要ない残業」が忌むべきモノと思っています。それは「何の生産性も持たない残業」という意味です。そして「サービス残業」も同様です。それは企業が労働賃金も払えない状態という事ですからこれはもはや経営自体が成り立っていない事を意味しています。また過去に無保報酬で残業する事が美談とされた事は企業側の搾取の形となる事を努力という言葉で塗り固めた偶像という反面があると思います。そして反面という事はもう一つの反面があるわけです。その反面は今回の営業でしょう(報酬でますが)。目的の達成に猪突猛進する姿は、過去に部活に燃え練習に明け暮れた日々や、趣味に没頭する姿に似ます。それはプライベートか仕事かぐらいの差です。そしてその経験の差が後に影響することは言うまでもありません。

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