問題が尽きない店舗で共通している事。
共通して言える事は【価値と価格のバランスが悪いこと】
●値上げは悪。
●値上げするとお客さんに悪い。
完全にコレ。
一見さんはともかく、お店の常連さんやファンはそれが極端でない限り「喜んで受け入れてくれる」に違いない。
特に飲食店で顕著な気がする。100円値上げしても、週に1回通ったとして月に400円支払いが増えるだけ。
たったそれだけでお店が潤って、満足な商品が提供されて、従業員が満足する給与を払えるなら
お客さんはそれを望むでしょ!って言う話。
それでも「値下げしろ」とか「値段を上げて欲しくない」と要求する人は言わずもがな。
「顧客を喜ばそう」それに尽きる。
値段と価値。
値段<価値
原則は値段以上の価値を提供すること。値段を下回れば「高い」値段を上回れば「安い」たったこれだけの事。
商学の世界ではこれを「値頃感」と言う。
例えば「値段を維持する為に価値を下げる」という事がある。食材を減らして味を落としたり量を減らすなど。
コレは提供商品(店舗)によりカナリ危うい選択をしている事になる。
顧客が何を「価値」と思って来店しているのか?
ここを間違えると「値下げした為に顧客が来なくなる」という事がある。逆に「値上げした為に顧客が増えること」もある。
基本的に個人店は「価値で勝負」するしか選択肢がない。
大手に比べれば仕入れや製造で勝てないので値段で勝負が出来ないから。
「プライシング」に意味を持たせる。
高価格なものほど価値が高いと人は思う。
コレらは「高級品」と呼称される。
- 同じ5000円でもラーメンなら高級品と言われフレンチコースなら低価格と言われる。
- ルイ◯ィトンのバック。素材原価がほぼ同じ素材のバックと比べても遥かに高い値段でも売れる。ブランド価値。
- 高級品なんていらん!と息巻いていてもそれをプレゼントされると喜んでしまう。本当は欲しているから嫉妬している。
「価値」とは人の「欲」に紐付く。そこに「需要と供給」も絡んでくる。
と、ここまでは一般的な人の心理の話。
だけど利潤の追求を度外視した「意味のある値付け」があると思う。
それはその時の利益うんぬんではなく人の心や未来へ繋げる社会への利益とも言える。
ラーメン「1000円の壁」
【1000円のラーメン】
先日、Twitterですごい数のインプを稼いでいた記事を見た。
ここではそのコメント内容に関してはどうでもよくて、ここで示されているのは「日本人のラーメンに対する関心度」その高さが測れたという事。
一応断っておくと個人的にはラーメンにも価格の幅があった方がいいと思っている。だから1万円のラーメンも680円のラーメンもあった方が嬉しい。ただ極端に安い商品(ラーメン限らず)は必ずどこかが割を食っている可能性があると想像した方がいいと思う。その店の経営者や従業員の収入や労働環境や家庭環境、更に広げた先にしばしば人権問題や脱税に発展する場合があるからだ。
閑話休題
例えば、利幅が無くても「一番の完成度のラーメンを1000円に固定する」に意味を持たせる事もできる。
それは「高校生がお小遣い1000円を握りしめて月一回楽しみに食べに行く」という意味。この意味は「高校生が手を出せる範囲の価格で最高のモノを提供し夢を見させる」という価値になる。
その価値は現在の収益でも粗利でもなく「未来に対する利益」になる。
その子供が将来日本を代表するラーメン店主となり、多くの利益を日本社会や人類に残す様になるかもしれない。
そういう次世代に繋ぐバトンとしての意味を持たせる事は今の売上やら利益だけで測る事は到底出来ない。
ただ当然
商売なのだからしっかりと金銭的な利益も出して、自分や従業員の収入増加、納税して社会に還元しないと商売の意味がないのでガッツリ稼ぐ事も言わずもがな。